西宮市,幼稚園,学校法人 甲東幼稚園

 

保育園園長先生のひとこと

 

園だより11月号から

園だより11月号から
 
  いつまでも赤ちゃんだと思っていたのに、いつの間にか幼児の姿をみせてくれることもある子どもに成長しつつあります。
特にうさぎ組さんはしっかりと自 我の芽生えが育ち、今まではなんとなく親に言われるがままに物事がすすんでいたのが、あっちで止まり、こっちで止まり、『もう、さっさとして!!』なんてことも増えていませんか?
また、『これとこれ、どっちがいい?』と聞いても定かな答えがなかったのに、聞いてもいないのに「こっち!」と言いはって、どうにもこうにも大人の思い通りにはことが進まないことも多くなってきたのではないでしょうか。
  「どれにしようかな…」と考え込んで、「こっち? あっち?」とやっている姿は外から見ているととても微笑ましいものですが、『どっちでもいいのだったらこれにしよ』というと、大泣きされたり、“ああいえばこういう”状態になったり、やりにくさを感じられるようになった方も多いのではないでしょうか。
  その時期は本当に大変なんですが、これは子どもの発達段階において大切なことです。何しろ、いくらママのおなかの中にいたからといっても、ママとは違う一人の人なのですから、何もかも親の思い通りにはいきません。
  子ども自身に選択する力もつけてほしい…ここで提案です。この案件は子どもにきめさせるべきかどうかを大人として見つめておきましょう。親が決めにくいときに、家計や家の事情に関わることまで、子どもに聞いている場面もよく見かけます。ある意味、子どもは大人が決めた子どもにとっては不条理なことも飲んで過ごしていく…それも大事な経験ですから、どうしようもないことは子どもに決める権利は渡せません。わかる範囲で理由や親の気持ちが伝わるといいですね。
  でも、何もかも親がきめてしまうのではなく、できるだけ選択の余地をあげてほしいと思います。このおやつか、このおやつかどっちを食べる?等…ここは子どもに決めさすと見定めたのなら、口出しせずに、その決定を大いに尊重しようじゃないですか。
  もし、“ああ、それはそっちじゃないと思うよ”というようなことなら、はじめから決める権利は与えず『こうね』と言ってあげればいいのです。『どっち?』と聞いたからにはどちらになってもOK。大人も自分が言った言葉に責任をもちましょう。 
菱田 由里子
 

園だより10月号から

園だより10月号から
 
  先々月に次回にお話しをと書き残した“相手に危害 を加えない失敗であれば見守る、そんなことも試せる 場所と時間を作ってみましょう。”ということと、 “実体験からくる想像力の育ちの大切さ”…このあた りを今月号で考えてみましょう。   
  子育てで一番難しいのは“待つ”ということではな いでしょうか。今朝は1 歳10 か月の孫を保育園に送 り届けました。(1 年生と年少サンの姉二人がいる女の 子です)幸いにもちょうどなんでも『自分でしたい』 という思いを持ち合わせてきているので、この“待 つ”ということが度々起こります。
   出かける時に靴を履く…年少サンのお姉ちゃんはさっ さと靴下を取ってきて靴を履いていますが、1 歳児ク ラスのご本人は靴を履くことはわかっていて玄関に座 り込み、ああ、靴を口に近づけてニコニコニコニコ… ここでポイント…まずは妥協点…ママも気にしてい ないので、靴下を履くことはあきらめました。そして なぜか右足は結構自分で履くのです。
  …ポイント…右 左逆に…これも、たくさん歩く予定ではないので、今 回は『ま、いいか』で。
  そして1 年生のお姉ちゃんの 登場、履かせてくれます。ポイント…ここも姉妹の助 け合い、お姉ちゃんにとっても妹の靴のかかとをいれ てやるのは結構難しいのでそちらにも加点ということ でOK に。
  保育園の門から部屋まで自分で自分の荷物を持って いけるようになり、自分で着替えを所定のかごに入れ られるようになりました。ポイント…ここまでくるに は何度の“ま、いいか…”があったことでしょう。 『あ、違ったね』とさり気なく正解のところに入れ なおす等はあっても、『あ、違うでしょ!!もう、い つも間違えるんだから!!』これはなかったです。
 
  こういう失敗は他人を傷つけるたぐいではありませ んから、どんどんしましょう。
  “失敗”や“間違い” ではなく“成功への周り道”“成功に向けて必要な経 験”です。きっちり正解のかごにはいれられなかった かもしれませんが、入れようと思ってその荷物を手に したことは大成功ですよね。
  これらの成功体験が、次回に向けて、うまくいくに ちがいないとうれしい気持ちにもつながり、さらなる 成長へと導いてくれます。
  お水が熱かった、冷たかった、泥団子がふにゃふに ゃだった、石のように硬かった、目で見て、触ってみ て、匂ってみて、音を聞いて、なめてみて(安全なも ののみ)…その体験は次にするとき、“きっとこうだ だよね”と想像できる力になっていきます。
  まだ乳児 さんですから、言葉の方がついてこないですが、経験 値として次への糧になり、その“想像”が今から未来 へ、自分のことからお友達のことへ、日本から世界へ とどんどん膨らみ、いろんなことを考えながら、自分 の納得する道を選んで進んでいきましょう。
菱田
 

園だより9月号から

園だより9月号から
 
環境省の暑さ指数33で園からのお出かけ禁止…
31、32…とあがってきてついに33も有り、そして毎日が33という日々でした。ウオーキングも今やショッピングモールで行うなどもみられ、アウトドアでの活動は本当に大変です。
 そんな中でも子どもたちは元気いっぱい。限界ギリギリまで思いっきり遊ぶので、突然機嫌が悪くなったり、寝てしまったり、大人にとっては都合の悪い状態もよくあるのではないでしょうか。
 皆様はどんな時に、どんな風に、叱っておられますか?“お約束を守らない”“人の迷惑になるようなことをしでかす”“いうことを聞かない”“危ないことをしている”“片づけない”……その中にいくつの
大人が勝手に決めたきまりごとがあるでしょうか。
またはいくつ、絶対に叱らねばならない事がはいっているでしょうか。
 皆さんは、子どもの気持ちはみているつもりでもみえてなくて一方的にガミガミ言ってしまい、子どもが震え上がるほど叱るタイプ?
それともその逆で、悪いことをさせてしまっているのは私(そばにいる大人)とでもいうかのように、「だめよ、〇ちゃん、そんなんしたらだめよ」と空に向かって言っていて、子どもに響いていないことに気づいていない方のタイプ?
 私は子育て中にはわが子に対して一度怒り出すと、あれもこれもそれも、ともかくあふれんばかりの言葉がわいてきて、「この前もこうだったでしょ!だからあなたはもう何回言えばわかるの!!」と、まるで自分のストレス発散の場になってしまっていることが何度もありました。
 言い出すとちゃんと全部言っとかないとと思い、怒鳴り散らしているのではなく、しっかりわかるように説明をし、叱っているつもりです。でも、多分実際は大声で、あることないこと叫んでいるという方が近い状態ではなかったかと思います。もちろんその分以上に、一緒に思いきり遊んだり、笑いあったりもしたから、帳消しになったかしら? 今となっては何をどう叱ってたのか思い出せない内容がほとんどです。
幼稚園の担任の先生として他人のお子様のそばにいる時は、そうはならないのに、なぜわが子にはこうなるのでしょう。夜、寝静まってから、その寝顔に「ごめんね、ママ、今日もいっぱい怒鳴っちゃったね」って謝っていました。
 そして今、保育園の先生として皆様のお子様の前にいる時やおばあちゃんとして4人の孫たちのそばにいる時、そんなにがみがみと理屈を並び立てて怒鳴ることはありません。年とったから? 経験を積んだから?
 いずれにせよ、子どもの気になる行動では、誰が困っているのか、何が悪いことで、たった今の行動の何を止められるようにしないといけないのか、そういうことを考えます。「何回も同じ(悪い)ことをして!」という時は、物理的に何回も同じことができない環境を整え、それをしないですんだときに「偉いね、押さなかったね」「ひっぱらなかったね」「貸してあげたのね」などをすぐに伝えます。すぐに言わないと、
その1分後にはまた別のところで押してしまいますから、ほめる(認める)のは、できるのを待つのではなく、笑っている時、今、すぐです。
大切なことは、なぜ怒られているのか、何がダメだったのかを、子ども自身が気づくことができているかどうかということです。いくら言葉でガミガミ言っても、説明して教えても、子ども自身が感じないと効果はありません。
どうすれば子ども自身が気づけるのかは、ちょっと振り返りさえすればすぐにみつかることもあれば、あれこれして考えてみてもみつかりにくいこともあります。
“なぜこうするのだろう”“なぜこうなっちゃうのだろう”ということをしっかりと見つめて、ご家族皆さんで、あるいはお友達と、あるいは保育士や専門家とお話しながら見つけていきましょう。
 大人の方も、それぞれキャパがありますから、無理な計画をたてて実行してしまうと、その分、子どもに怒らないといけないことも増えてしまいます。
キリスト教保育連盟のカリキュラム、8月の主題は“ゆったりと”でした。そして9月は“おもしろそう”です。“退屈だなー”というぐらいの予定で大丈夫。子どもは何もなくて、おもしろそうなことを見つけ、いっぱい遊びます。暑い中ですし、忙しい中です。どうぞ、気持ちは子どもにゆったりと関わり、ゆったりと過ごし、ごくごく普段の生活の中から面白いことをいっぱい見つけてください。   
 
先月号の園だよりに“相手に危害を加えない失敗であれば見守る、そんなことも試せる場所と時間を作ってみましょう。具体的な参考事例、折を見てまたの機会にお話ししますね”“実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。来月、お伝えします。”と書いたのに、すみません、今回は、大人側から“叱る”ということを考えてみました。 子ども側から“想像力の育ち”は、またまた次回、ご一緒に考えてみましょう。  
菱田                      
                    
 

園だより8月号から

園だより8月号から
 
先月の園だよりに書かせていただいていたことの中から、今月は『小さいときにいっぱいやらかしておきましょう。』『実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。』ということについて考えてみたいと思います。
「それしちゃだめ、これしちゃだめ」となんでもかんでも、先に“大人に強制的に止められるからやらない、あるいは物理的にできない状態”ということだけを積み重ねた場合、なぜダメなのか、どうダメなのかをなかなか自分のものとしての積み上げができません。ただし、危険な行為はともかく力づくでも大声でも何が何でもとめなくてはなりません。そのうえで自分の言語で考えたり、やったらどうなるのかなと想像力を働かして考えたりして、なぜいけないのか、その痛みと社会的なルール、相手の気持ち、そういうことが年齢や経験を重ねるごとにわかっていってほしいものです。言われたからダメ、怒られるからダメだけで過ごすと、自分でストップする力がつきにくく、内容が同じでも場面が少し違うと応用がしにくいということにつながっていきます。もちろんダメなことの中には本当に、やってしまう前に教えないとわからないこともたくさんあります。
そのどこまでが子ども自身にまかせて「あ~あ」と、見ていていいのか、という基準は、人それぞれです。子どもにとっては、同じことをしたのにある時ママは何も言わずに笑っていたのに、今日は頭ごなしに大声で怒鳴ってきた…大人にはそのシチュエーションの違いは分かっても、子どもには不条理でしかない。ある意味、人生ってそんな積み重ねかもしれません。
そこで提案です。何でもかんでも『ダメ、ダメ、ダメ』ではなく、(あ~あ、あれでは失敗するぞ)ということがわかっていても、相手に危害を加えない失敗であれば見守る、そんなことも試せる場所と時間を作ってみましょう。(具体的な参考事例、折を見てまたの機会にお話ししますね。)
自分で考えてやってみたり、やめてみたり、危ないと感じたり、ダメなんだよと思ったりできる環境が必要です。そして失敗だった時に、問い詰めたり叱ったりするのではなく、失敗して悲しかった気持ちを共感し、また、成功したときには当たり前として終わるのではなく、その大発見やうれしい気持ちを一緒に喜びましょう。『実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。』ということについては来月、お伝えします。                              菱田
 

園だより7月号から

園だより7月号から
 
先月の園だよりでは『これから小学生、中学生、高校生、大人へとなっていくとき、今もっている主体的に動ける力を持ち続けて、それに思いやりやルール、計画性、周りへの影響などを鑑みながら納得して自分の人生を選んで歩み続けてほしいなと思いました。』と結びました。
真面目に言われたことをコツコツとしておけば定年まで終身雇用で豊かな人生が送れるという時代はもうひと昔前の話で、IT化、働き方改革、いろいろと変化する世の中で、今ある仕事の半分以上は今ない仕事にかわっているかもと言われてもう数年が立ちます。今、必要な人材は“自分で考えられる人”。
でもそれは自分にとっていいように、自分の周りにとっていいようにだけではダメで、見方をいろいろ変えてみてベストではなくてもベターなことを見つけ出していく力ということになります。そのためには保育でもよく使われる“生きていく力”の中で、“想像力”が大切になると私は思っています。
『なんでこうなるんやろ』『こうしたらどうなるんやろ』物理的な動きから気持ちまでいろんなことを鑑みて決めていける力です。そのために乳幼児期にしておかなければならない大切なことがあります。
それは、大きく言えば主体的に遊ぶこと。これを使ってこのように遊びなさいではなく、自らいつ何時でも遊べる力を発揮することだと思います。遊びの心は生れた時からみんなもっています。時として大人に『なにやってんの!』と叱られることも多々あります。だって、発達から考えても他者のことを思う前にまずは己を知るところからです。思いやれなくてとんでもないことしでかしてしまいます。でも小さいときにいっぱいやらかしておきましょう。
このざりがにサン、立派なはさみもってって強そうで、かっこいいよと思ったらさっそくざりがにサンになってみます。ざりがにサンの生活をまねてリズム表現してみます。そんなところからも優しい力、他人を想う力、たくましい力…いろいろなちからがはぐくまれ、そこに集団生活で育つ力もたくさんあります。実体験からくる想像力の育ち、とても大切ですね。
菱田
 

園だより6月号から

園だより6月号から
 

園だより5月号から

園だより5月号から
 
やっとでしょうか、もうでしょうか…1か月がたちました。
降園の時はまだしも、登園の時に『ママがいい』と泣き叫ばれるとつらい思いをされている方もおられるかもしれません。もう1か月もたつのに、ますます心配でとおっしゃるかもしれませんが、一番の焦りは、あのお子さんもこのお子さんも笑って遊んでるのに、うちの子は…と思うことでしょう。
思ってもOK!大丈夫!そうなんです。みなさん、うちの子は!!なんです。それでいいのです。
初めての子どもが生れた時、ママ、パパは右往左往…でもそのころの子どもって本当に1日で、いえ、もしかしたらさっきと今とで、というぐらいどんどん成長を見せてくれますので、その赤ちゃんの笑顔に支えられながら、喜びもひとしお。
 ところがいわゆる“立てよ歩けよ”の時代が終了すると、『わー、今日〇〇できるようになった!』というよりは、気づけば『こういうことしてるわ、いつできるようになったんだろう』という親の目線になっている事も多く経験します。ましてや、公園やお出かけで同世代のお子様をみかけると、『うちの子、天才やで、これもあれももうとっくにしてる』その逆もしかりで、『どうしよー、まだ〇〇しない』
赤ちゃんの時、目の前のわが子を見てその成長ぶりを喜んだ時と違って、他人様の子と比べたり、〇歳〇か月の平均と比べたりしてしまいます。わかってはいるけど、気になる!
 大丈夫ですよ。今、わが子に一番必要なことは、〇〇ができたということではなく、生れてきてこんなに愛されている存在である!ということをいかに感じられるかということです。子どもは〇〇をしてくれるからかわいいということではなく、無条件でかわいい存在です。お迎えに来られた時、パパもママもおじいちゃんもおばあちゃんも、皆さん素敵な笑顔で再会を喜んでおられます。だから、大丈夫なんです。            
菱田
 

園だより4月号から

園だより4月号から
 
 お待たせしました。3月29日(金)に関係法人の皆様と開園式をおこない、まもなく入園式です。
 保育士一同、この日を心待ちにしていました。ワクワクドキドキの幕開けです。
 2歳うさぎ組10名、1歳りす組9名…朝、登園の時どのようにお仕度をしていただこうか、保護者の皆様との連絡をどのようにとっていけるのか、このおもちゃはどこにどう片づけ、どのように整理整頓する?あぶない物があったりはしてない?職員一同、子どもたちの笑顔を思い浮かべながら準備を積み重ねてまいりました。子ども・保護者・職員全員が初めての場所での生活の開始です。
 保護者の皆様には持ち物のことやれんらくノートのことなど、ああしてほしい、こうしてほしい、こう言ったけどこう変えて…いろいろなお願いを重ねていくことになると思いますが、この園で過ごす子どもにとって一番、快適なことはどういうことかを見つけていくためにも、どうぞご協力をお願いします。
 まずは、入園式…親子で登降園ですが、玄関入ったら、まずスマホかiPhoneでQRコード(玄関入って正面に貼っています)を読み取ってください。(レーザーキッズをあける→打刻処理→QRコードをスキャン→登園を押す)をお願いします。
 そして保育室にお座りください。(申し訳ございませんが、椅子のご用意はありません。直接床にお座りいただきます。)

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